IBM Support

元号の変更に伴うAIXの対応について

Flashes (Alerts)


Abstract

2019年5月1日に元号変更にともなうAIX OSへの影響をまとめました。

Content

1.対象のお客様

AIX及び PowerHA、Power VMをご使用のお客様


2.対象ソフトウェア

AIX 7.1, 7.2
PowerHA 7.1, 7.2
PowerVM 2.2, 3.1


3.元号の変更による影響

2019年5月1日に元号が「平成」から「令和」に変更となります。
AIX OSの管理している時刻情報は UNIX時刻(1970年1月1日からの経過秒)であり、元号そのものは扱っておりません。このため元号が変更になってもOSの動作には影響はありません。
AIXとしては元号に関連する機能をいくつか提供していますが、AIX内で提供されるアプリケーションやPowerHA、PowerVMにおいてはこれら機能は使用していませんので、動作への影響はありません。
元号に関連する機能として、時刻の元号による表示機能、合字※の文字コード間の変換機能、合字を含むフォントを提供しています。アプリケーションがこれらを使用している場合には、新元号の発表後に対応が必要となります。
※ 漢字2文字からなる元号を、1文字にまとめて表示する特殊文字

4.対応方法

4-1. 時刻の元号表示 (AIX)

AIXでは時刻を元号で表示する機能を提供しており、dateコマンドやstrftime()といった関数により利用可能です。
$ export LC_TIME=Ja_JP
$ date "+%EY"
平成30年
この機能に用いられるUNIX時間から元号への変換テーブルは、SJIS/EUC/UTFといった言語ロケール毎に用意されています。
dateコマンドによる元号表示の例 (IFIX適用後) :
# export LC_TIME=Ja_JP
# date 0430235919; date "+%EY"
Tue Apr 30 23:59:59 JST 2019
平成31年
# date 0501000019; date "+%EY"
Wed May  1 00:00:04 JST 2019
令和元年
新元号対応に際し、該当する IFIX (ファイル) をダウンロードして適用してください。
IFIX のダウンロード・サイト、適用方法については、「5.IFIX のダウンロードと適用方法」をご参照ください。
・AIX 7.1 (TL00 〜 TL05)
時刻の元号表示 EUC    :  IJ15313m4b.200104.epkg.Z
時刻の元号表示 SJIS    :  IJ15313m4c.200104.epkg.Z
時刻の元号表示 UTF    :  IJ15313m4d.200104.epkg.Z
・AIX 7.2 (TL00 〜 TL03)
時刻の元号表示 EUC    :  IJ15533m3b.190419.epkg.Z
時刻の元号表示 SJIS    :  IJ15533m3c.190419.epkg.Z
時刻の元号表示 UTF    :  IJ15533m3d.190419.epkg.Z

4-2. 時刻の元号表示 (Java)

IBM Javaでは時刻を元号で表示する機能がjava.util.Calendarクラス、Java8からは追加機能としてJSR-310 Date and Time APIが提供されています。
また新元号の合字を利用した処理( 正規化、EBCDICとUnicodeの変換、Characterクラスのメソッドでの各種属性の取得)も提供されております。
このうち正規化と Character クラスのメソッドでの各種属性の取得について、新元号への対応は Java8 以降のみとなる見込みです。
下記の FP の適用により新元号に対応します。(APAR IJ15106、IJ15572)
Java 7.0 : SR10 FP45 (7.0.10.45)
Java 7.1 : SR4 FP45 (7.1.4.45)
Java 8 : SR5 FP35  (8.0.5.35)
各FPのリリースはUS時間の4/30を予定しています。Java SDKのIBM developer kitsのサイトより提供されます。
https://www.ibm.com/developerworks/java/jdk/


4-3. 合字の文字コード変換

UTF-8 と EBCDIC(IBM-1390/IBM-1399) にそれぞれ用意された元号の合字について、文字コード間の変換をサポートしています。
iconvによる両コード間の変換のためには、bos.iconv.ucs.ebcdic、bos.iconv.ucs.comファイルセットが導入されている必要があります。
iconvコマンドによる新元号合字のコード変換の例:
# iconv -f UTF-8 -t IBM-1390 UTF-8.txt > IBM-1390.txt
# od -x UTF-8.txt
0000000  e38b bf00    <- Unicode : U+32FF (UTF-8 Encoding : 0xE3 0x8B 0xBF)
0000003
# od -x IBM-1390.txt
0000000  0ee8 600f    <-  IBM-1390/IBM-1399 : x'E860'

新元号対応に際し、該当する IFIX (ファイル) をダウンロードして適用してください。
IFIX のダウンロード・サイト、適用方法については、「5.IFIX のダウンロードと適用方法」をご参照ください。
・AIX 7.1 (TL00 〜 TL05)
文字コード変換 :  IJ15313m4e.200104.epkg.Z
・AIX 7.2 (TL00 〜 TL03)
文字コード変換 :  IJ15533m3e.190419.epkg.Z


4-4. 日本語入力メソッド (JIM)

AIX 共通デスクトップ環境 (CDE) の日本語入力メソッド (JIM) にて「れいわ→令和」の変換がサポートされます。
参考情報: 日本語入力メソッド (JIM)
https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/ja/ssw_aix_72/com.ibm.aix.nlsgdrf/japan_input_method.htm

新元号対応に際し、該当する IFIX (ファイル) をダウンロードして適用してください。
IFIX のダウンロード・サイト、適用方法については、「5.IFIX のダウンロードと適用方法」をご参照ください。
・AIX 7.1 (TL00 〜 TL05)
日本語入力メソッド :  IJ15313m4a.200104.epkg.Z
・AIX 7.2 (TL00 〜 TL03)
日本語入力メソッド :  IJ15533m3a.190419.epkg.Z

4-5. 合字のフォント表示

AIX 共通デスクトップ環境 (CDE) の日本語 UTF-8 ロケールのフォントで元号の合字の表示がサポートされています。
新元号に対応する更新の提供に向けて準備中です。
リリースは2019年5月以降を予定しています。
4-6. 合字関連の正規化処理 (ICU4C)
ICU4C はユニコード関連処理用に公開されている C/C++ のライブラリーです。
AIXでは拡張パックにバンドルされており、ランタイムは OS 本体にも付属しています。
合字に関連した文字コード変換や、正規化処理 (令和の漢字2文字と合字1文字との相互変換) の機能が提供されています。
新元号に対応する更新の提供に向けて準備中です。
リリースは2019年5月以降を予定しています。

5.IFIX のダウンロードと適用方法

5-1. IFIXのダウンロード

新元号に対応する IFIX は、以下のサイトよりダウンロードいただけます。
http://aix.software.ibm.com/aix/efixes/ij15313/

該当の IFIX ファイルを選択し、ダウンロードしてください。
なお、これらの IFIX の更新を含む TL/SP のリリースは2019年の秋以降を予定しています。

5-2. IFIXの適用

IFIX の適用手順は、以下の通りです。

適用手順:

1. 任意のディレクトリ上にIFIXのファイルを保存してください。

2. 該当ディレクトリーへ移動し、emgr -peコマンドにてインストールのプレビューを行います。
 その際に結果がSUCCESS(成功)であることを確認してください。
# emgr -pe xxxxxxx.epkg.Z

3.emgr -eコマンドにてインストールを行います。
# emgr -e xxxxxxx.epkg.Z
4. 適用状態の確認を行います。
 emgr -l コマンドにてシステムに導入されている全てのIFIXが表示されます。
 ラベル名より今回導入のIFIXのSTATEがS(Stable)となっていることをご確認ください。
 再起動は不要です。
参考情報: 暫定修正パッケージのインストールと管理
以上

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Document Information

Modified date:
26 September 2022

UID

ibm10870382