fingerd デーモン
目的
finger コマンドにサーバー機能を提供します。
構文
説明
/usr/sbin/fingerd デーモンは、 いくつかのネットワーク・サイトで finger コマンドへの インターフェースを提供する単純プロトコルです。finger コマンドは現行システムまたはユーザーに関する状況報告を返します。 fingerd デーモンは、TCP (伝送制御プロトコル) のポート 79 での 要求を、/etc/services ファイルと、 /etc/inetd.conf ファイルのリストに従って listen します。
デフォルトでは、fingerd デーモンは、個別のサイト・セキュリティーについて、finger 要求をほかのシステムへ転送しません。 finger 転送要求を受け取ると、 fingerd デーモンでは、 finger コマンドに対して、 「Finger forwarding service denied」というメッセージで応答します。システム管理者は、-f フラグを使って fingerd デーモンを実行するときに デフォルトとして、finger の転送をオンにするオプションを指定できます。
fingerd デーモンの変更は、System Management Interface Tool (SMIT) または SRC を使用するか、 /etc/inetd.conf ファイルまたは /etc/services ファイルを編集することによって行います。 fingerd をコマンド・ラインに入力するのはお勧めしません。デフォルトでは、fingerd デーモンは、/etc/inetd.conf ファイル内のコメントが解除されていれば始動されます。
inetd デーモンは、/etc/inetd.conf ファイルと /etc/services ファイルから情報を取り出します。
/etc/inetd.conf または /etc/services ファイルを変更した後、refresh -s inetd または kill-1InetdPID コマンドを実行して、inetd デーモンにその構成ファイルに対する変更内容を通知します。
fingerd デーモンを実行するには、最低限の特権を持つユーザー ID が必要です。 nobody ID で、最低の許可を与えることができます。 fingerd デーモンに nobody ユーザー ID を与えることによって、fingerd デーモンがユーザーのホストで使用できるようになります。 /etc/services ファイルを、使用するユーザー ID を反映するように変更してください。
システム・リソース・コントローラーによる fingerd デーモンの操作
fingerd デーモンは、inetd デーモンのサブサーバーです。fingerd デーモンは tcpip SRC サブシステム・グループの メンバーです。このデーモンは、/etc/inetd.conf ファイル内でコメントを外すと使用可能になり、次の SRC コマンドで操作できます。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-s | ソケット・レベルのデバッグをオンにします。 |
項目 | 説明 |
---|---|
-f | この fingerd デーモンについて finger の転送をオンにします。 |
例
- fingerd デーモンを始動するには、次のように入力します。
このコマンドによって、fingerd サブサーバーが始動します。startsrc -t finger
- fingerd デーモンを停止するには、通常、次のように入力します。
このコマンドは、保留状態の接続をすべて開始し、既存の接続を完了します。しかし、新しい接続の開始は行いません。stopsrc -t finger
- fingerd デーモンとすべての fingerd 接続を
強制的に停止するには、次のように入力します。
このコマンドによって、保留状態の接続と既存の接続がすべて即座に終了します。stopsrc -f -t finger
- fingerd デーモンについての簡略状況報告を表示するには、
次のように入力します。
このコマンドは、デーモンの名前、プロセス ID、および状態 (アクティブまたは非アクティブ) を返します。lssrc -t finger