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IBM Lotus Domino Designer 8.5
  バージョン 8.5 および 8.5.1






@DbLookup (Lotus Domino データソース)

指定されたビュー (またはフォルダ) で、最初のソート列の値が、指定されたキー値と一致するすべての文書を取得します。選択された文書ごとに、ビューの指定された列の内容か、指定されたフィールドの内容を返します。

構文

@DbLookup( class :cache ; server :database ; view ; key ; fieldName ; keywords ) または
@DbLookup( class :cache ; server :database ; view ; key ; columnNumber ; keywords)

文字列引数 class と cache の間、および server と database の間の分離記号はコロンで、それ以外の分離記号はセミコロンです。

パラメータ

class

文字列。アクセスするデータベースの種類を指定します。Lotus Domino のデータベースを指定するには、"" または "Notes" を使用します。

cache

文字列引数。省略可能。初回の検索では、"" または "NoCache" を指定します。"" を指定した場合、次回の検索でも同じデータソースを検索する場合は、"ReCache" を指定できます。

"ReCache" は Release 6 で新しく追加されました。

server :database

文字列リスト。サーバーのロケーションとデータベースのファイル名を指定します。「サーバーとデータベースを指定する」を参照してください。

view

文字列。検索するビューまたはフォルダの名前を指定します。必ず [ビューのプロパティ] インフォボックスに指定されているビュー名全体を指定します。別名は省略できます。ビューのサブメニュー表示がある場合は、その名前も含めて指定します。「ビューを指定する」を参照してください。

key

文字列。値を取り出すために実際に読み込まれる文書を特定します。文書のキーは、ビュー内でソートされた最初の列に表示される値です。この列を再度ソートできる場合、結果は現在のソート順序に左右されることに注意してください。「キーを指定する」を参照してください。

fieldName

文字列。正しい文書が識別されたときに、データを取り出すフィールドの名前を指定します。「フィールド名を指定する」を参照してください。

columnNumber

数値。列番号を指定すると、指定したキーと一致するビュー内のすべての文書が検索され、それらの文書の指定した列に表示されている値がすべて返されます。この場合、データの表示に使用される式は関係ありません。「列番号を指定する」を参照してください。

keywords

このパラメータは R6 で新しく追加されました。

キーワード。省略可能。複数のキーワードを連結できます。

戻り値

valuesFound

文字列、数値、日時、または文字列リスト。指定した fieldName または column で見つかった値、または文書の UNID が返されます。後述の「戻り値にアクセスする」を参照してください。

サーバーとデータベースを指定する

server : detabase パラメータは、次のようにさまざまな方法で指定できます。

Notes

ビューを指定する

ビューのパラメータは、ビュー (またはフォルダ) の全体名または別名で指定できます。たとえば、[Last Name] ビューに別名「|LName」があり、[表示] メニューで [By Author] のサブメニューとして表示される場合は、[ビューのプロパティ] インフォボックスで次のように表示されます。

By Author\Last Name|LName

このビューを @DbLookup で参照するとき、次のように別名の LName だけを引用符で囲んで指定できます。

"LName"

ビュー名に別名がない場合、[By Author] 名とサブメニュー表示の [Last Name] を引用符で囲んで (別名なしで) 指定します。また、このビュー名は式で使用するものであるため、\ が正しく解釈されるようにもう 1 つ \ を付けます。

"By Author\\Last Name"

キーを指定する

テストできる値は、キーと一致する (等しい) ものだけです。その他の < (より小さい) などの別の演算子は指定できません。

一致させるキーとして定数を指定するだけでなく、編集可能なフィールドの値を使用することもできます。たとえば、2 つのフィールドから成る [ContactInfo] フォームを作成できます。つまり、[contactName] フィールドと [lookupComments] フィールドです。ユーザーが [contactName] フィールドに担当者名を入力すると、その担当者に関連付けられたコメントのリストが [lookupComments] フィールドに表示されるようにするとします。まず、[contactName] フィールドを編集可能な文字列フィールド (またはダイアログリストフィールドなどの選択肢リストフィールド) として設定します。[lookupComments] フィールドの入力確認式として、たとえば次のコードを記述します。

@DbLookup("":"NoCache";"Sales":"Customers.nsf";"ContactList";contactName;"Comments")

ユーザーが、たとえば「Susie Queue」という顧客名を [ContactInfo] フォームの [contactName] フィールドで入力または選択し、[F9] キーを押して文書を更新すると、[lookupComments] フィールドの式によって以下のタスクが実行されます。

[contactName] フィールドをキーとして指定しているため、@DbLookup 式が実行されるときは [contactName] フィールドの現在値が検索条件として使用されます。

取り出されるのは、検索キーと完全に一致する値だけです。大文字と小文字は区別されませんが、スペースや分離記号は正確に一致しなければなりません。[PARTIALMATCH] キーワードを指定した場合を除き、全体が一致しなければなりません。

検索が機能するには、ソートされた列がビュー内に存在しなければなりません。存在しない場合は Null 値が返されます。ソートされていても分類されていない複数値フィールドの場合、正確な結果は返されません。この列を再度ソートできる場合、結果は現在のソート順序に左右されます。

フィールド名を指定する

検索で fieldName を指定すると、フィールドに実際に保存されている値が返されます。これはビューに表示される値とは異なる場合があります。指定したビューに表示されているどの文書のどのフィールドからもデータを取り出すことができますが、フィールドがビューの列として表示されていない場合は、そのフィールドを見つけるために文書全体が検索されるため、検索に時間がかかることがあります。@DbLookup を使用してリッチテキストフィールドからデータを取り出すことはできません。

一致した文書の中には、別のフォームを使用して作成したものであるために、指定したフィールドが含まれていない文書もあります。

列番号を指定する

ビューの列に基づく検索のほうが、ビューに表示されないフィールドに基づく検索よりも効率的です。最良の結果を得るには、値を取り出すフィールドがビューに表示されているようにしてください。

たとえば、ビューが製品 ID で分類されており、検索キーに「01776」を、列に 2 を指定した場合、製品 ID 01776 のすべての文書の列 2 に表示される値が返されます。

columnNumber パラメータを指定するときは、ビューの列は左から右に数え、左端の列が列番号 1 となります。ただし、検索ではすべての列が数えられるわけではありません。これは、Lotus Domino がビューに索引を付ける方法の特性によるものです。

検索用の列番号は次の方法で計算します。

  1. ビュー内の列を左から右に数えます。
  2. 列の数え漏れがないことを確認します。たとえば、ビューをソートしたり分類するために使用される列は表示されないことがあります。すべての列を確認するには、ビューを設計モードで表示します。

  3. 32 や "Submitted by:" などの定数値を表示する列は数えません。." ある列の式の結果が偶然すべての文書で同じであったとしても、これは「定数」とは見なされません。このような列は数えます。
  4. 次の @関数のみが使用されている列は数えません。@DocChildren、@DocDescendants、@DocLevel、@DocNumber、@DocParentNumber、@DocSiblings、@IsCategory、@IsExpandable。
  5. 列を左から右に数え直して確認します。
  6. ここで求めた列番号を検索式で指定します。

@DbLookup でフィールド名の代わりに列番号を使用するよう指定すると、ビュー内に実際に表示されているデータだけが取り出されます。

戻り値にアクセスする

@DbLookup により複数の値が返されるときは、現在のフィールドのインフォボックスに指定されている複数値の分離記号で区切られたリストの形式で返されます。

@DbLookup は、64KB を超えるデータを返すことはできません。次の公式を使用して、@DbLookup で返されるデータ量を調べます。

文字列を返す検索の場合

2 + (2 * 返されるエントリ数) + 全エントリの合計文字列サイズ

数値または日付を返す検索の場合

(10 * 返されるエントリ数) + 6

使用法

この関数は、列式、選択式、メールエージェントでは使用できません。

サーバーエージェントとセキュリティ

@DbLookup が含まれているデータベースを参照元データベース、アクセスされるデータベースを参照先データベースと考えます。

@DbLookup をエージェントで使用するとき、参照元データベースを管理するサーバーと同じサーバーまたは別のサーバーで実行されている参照先データベースのデータにアクセスできます。エージェントの署名者には、参照先データベースに対する [読者] 以上のアクセス権が必要です。

R5 以前のサーバーで実行されるエージェントは、参照元データベースと同じサーバーにある参照先データベースにのみアクセスできます。さらに、エージェントの署名者には、参照先データベースに対する [読者] 以上のアクセス権が必要です。ACL でレプリカ ID を使用する機能は、Release 6 でも引き続きサポートされています。Release 6 より前のデータベースの ACL にエージェントの署名者がなく、レプリカ ID はある場合は、レプリカ ID が代わりに使用されます。参照元データベースにアクセス権を与えるには、参照元データベースのレプリカ ID (たとえば 85255CEB:0032AC04) を参照先データベースの ACL に追加し、[読者] 以上のアクセス権を割り当てます。

その他のエージェントとセキュリティ

その他の種類の式やエージェントで @DbLookup を使用する場合は、ユーザーのクライアントに保存されているすべての参照先データベースに対して無制限にアクセスできます。参照先データベースが別のサーバーに保存されている場合、@DbLookup からそのサーバーにアクセスできるかどうかは、ユーザーの Lotus Notes ID に基づくエージェントの署名者のアクセスレベルによって決まります。

@DbLookup は、ビューの読み込みアクセスリストの影響を受けます。

例:@DbLookup (Lotus Domino データソース)
関連項目
現在の文書とデータベース以外のデータにアクセスする
@DbLookup (ODBC データソース)
ECL セキュリティを伴う @関数
@関数を処理する
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最終更新日: 2009 年 10 月 5 日 (月曜日)