初期障害データ・キャプチャー機能 (FFDC)
FFDC 機能は、障害につながると思われるイベントおよび状態に関する情報を即時に収集します。 これらのファイルに収集されたデータは、問題の分析に使用できます。 FFDC は、主として IBM サービスが使用するためのものです。 FFDC メッセージが存在していても、必ずしも問題が発生しているわけではありません。 通常のリカバリーが行われた場合には、 それ以上のアクションは不要です。 最大日数が過ぎた後、 これらのファイルは自動的にシステムから削除されます。
情報が収集され、ログ・ファイルに保存されると、FFDC は影響を受けるエンジンに制御を戻します。
例外を生成したサーバント領域について一意的に識別される 情報が収集され、ログ・ファイルに保存された後、 FFDC は、障害のあったエンジンに制御を戻します。
デフォルトでは、FFDC ログ・ファイルは作成した 7 日後に 自動的に消去されます。 FFDC ログ・ファイルが使用するスペース量が心配な場合は、 消去が行われる間隔の日数を構成できます。
- WebSphere FFDC - これは、既存の FFDC 実装です。 この FFDC は、WebSphere 製品でのみ使用できます。
- IBM FFDC - これは、よりコンポーネント化された、より汎用的な 実装であり、JDK だけに依存します。 この FFDC は、クライアント・プロセス内で使用でき、 また、非 WebSphere のデータ・コレクター、フォーマッター、プロバイダー、およびリスナーとプラグ可能であるため、 非 WebSphere 製品による使用も可能です。
- <file_name>。ここで、 file_name は、単一ファイルの名前またはディレクトリー・パスのいずれかです。
- file_name が存在し、単一ファイルの 名前である場合、このファイルに、FFDC が収集するその問題に関する情報と要約レポート情報のすべてが付加されます。
- file_name が存在し、ディレクトリー・パスである場合、 問題が発生するたびに、このディレクトリー内に新規ファイルが 作成され、新しく作成されたこのファイルに、その問題に関する情報と要約レポート情報のすべてが書き込まれます。 発生した問題は、このディレクトリー 内の要約レポートにも付加されます。
- file_name がファイル分離文字 (¥ または
/) で終わり、 指定された名前のファイルがない場合は、file_name というディレクトリーが作成されます。 その後、
問題が発生するたびに、このディレクトリー内に新規ファイルが
作成され、新しく作成されたこのファイルに、その問題に関する情報と要約レポート情報のすべてが書き込まれます。 発生した問題は、このディレクトリー
内の要約レポートにも付加されます。使用例:
Name: com.ibm.ffdc.log Value: C:\my_FFDC_CP\
- file_name がファイル分離文字 (¥ または
/) で終わらず、 指定された名前のファイルがない場合は、指定された名前で単一ファイルが作成されます。 このファイルに、FFDC が収集するその問題に関する情報と要約レポート情報のすべてが付加されます。使用例:
Name: com.ibm.ffdc.log Value: C:\my_FFDC_CP_log
- System.out: 問題と 要約レポート情報が標準出力ストリームに付加されます。
- System.err: 問題と 要約レポート情報が標準エラー出力ストリームに付加されます。 System.err は、 com.ibm.ffdc.log Java 環境変数のデフォルト値です。
- Suppress: FFDC が収集したすべての情報 が廃棄されます。
com.ibm.ffdc.log JVM 環境変数に値を設定することは、 OnDirProvider 機能を利用するために必要な唯一の構成変更 です。 新しい FFDC では、 (前の段落で説明した) 組み込みプロバイダーを過度に選択するか、またはユーザー独自の WebSphere プロバイダーを使用するメカニズムも提供されています。
com.ibm.ffdc.log 変数は、製品で作成された FFDC の問題および要約をリダイレクトするためにも使用できます。 この目的で com.ibm.ffdc.log 変数を使用する場合は、ディレクトリーを変数値として指定する必要があります。 そのため、この変数を WebSphere Application Server 環境で使用する場合は、競合を避けるために、この変数の指定はファイル分離文字 (/ または ¥¥) で終了させることをお勧めします。