IBM Support

(参考)自動診断データ収集ツールについて

技術情報(FAQs)


質問

Lotus Notes/Domino 6.0.1 からの機能として、自動診断データ収集ツールという機能があります(この機能は、「自動データ収集」や「ADC」とも呼ばれています)。

これはどのような機能ですか。またどのように設定して使用するのでしょうか。


回答

自動診断データ収集機能は、Lotus Notes クライアントや Lotus Domino サーバーがクラッシュしたときに、クラッシュのデバッグに必要なすべての情報を収集し、クライアントやサーバーの再起動時にその情報をメール受信データベースに送信します。各ドメインでは特別なディレクトリが定められており、管理者はこのディレクトリで、すべてのクライアントとサーバーで発生したクラッシュを確認することができます。管理者やユーザーはこの機能を使って、クライアントやサーバーのクラッシュに関する適切なデータを入手することができます。

仕組み:

このツールの主な利点は、各サーバーのクラッシュ時にどのような診断情報ファイルが作成され、どこに格納されたかを確認できることです。Lotus Domino 6.0 の新機能の一つとして、すべての診断情報ファイルの共通の格納場所となる「診断情報ディレクトリ」があります。Lotus Domino 6.0 では console.log ファイルの格納場所としてこのディレクトリが使用されます。どのディレクトリが診断情報ディレクトリに設定されているかは、LOGFILE_DIR の値で確認することができます。デフォルトでは <データディレクトリ>/IBM_TECHNICAL_SUPPORT に設定されています。

動的な Debug_Outfile について詳しくは、「(参考)Lotus Domino でコンソールログを動的に設定する方法」(Technote #725276) を参照してください。

Lotus Domino 6.0.1 ではこの機能が拡張され、memory.dmp、semdebug.txt、notes_child_pid (UNIX のみ)、NSD 出力、Memcheck ダンプ、UNIX コアファイルも含められるようになりました。

ただし、単に同じディレクトリにすべてのファイルを格納するだけでは各サーバークラッシュにどのファイルが対応しているかを確実に知るためには不十分なので、クライアントまたはサーバーのデータディレクトリ内に新しいファイルが作成され、そのファイルに、コンピュータ上で起動後に作成された診断情報ファイルの名前が記録されるようになっています。このファイルは diagindex.nbf という名前で、起動時に console.log ファイルが作成されるときに作成されます。

クラッシュ後に再起動すると、前の diagindex.nbf ファイルの名前が変更された後に新しい diagindex.nbf ファイルが作成され、それが ADC のコードによる処理の対象になります。ログ作成関数を使用する Lotus Notes/Domino プログラムはすべて、作成される診断情報ファイルのファイル名をこのインデックスファイルに登録します。このファイルは ASCII テキスト形式なので、Lotus Notes/Domino プロセス以外のプロセス (NSD など) も自身のタイトルをこのファイルに追加することができます。

クラッシュ後にクライアントやサーバーを再起動すると、senddiag という新しい実行可能ファイルがロードされます。このプログラムによって、たった今、発生したクラッシュに関する diagindex.nbf ファイルが処理されます。このプログラムはインデックスファイルを検索して、生成された各診断情報ファイルを抽出します。また、Lotus Notes 名、Lotus Notes/Domino のバージョン、OS のバージョン、開始時刻、クラッシュ時刻、エラーメッセージ、およびクラッシュしたスレッドのコールスタックを (NSD から) 取得します。そしてこのすべての情報を含むメールメッセージを作成し、あらかじめこの情報を受信するように設定されているメール受信データベースにそのメッセージを送信します。

以上の処理の結果、診断データが作成されますが、このデータがいつ削除されるかはユーザー側の設定によります。このデータはクライアントおよびサーバー上のディスクスペースを大量に消費する可能性があります。管理者はこれらの診断情報ファイルをどの程度の期間維持するかを、クライアントのポリシー設定またはサーバーのサーバー設定文書を使用して設定することができます。クライアントやサーバーでは再起動時に毎回、fileret という新しい実行可能ファイルがロードされます。このプログラムによって、「_<コンピュータ名>_」という検索パターンに一致するファイルのうち、[診断情報ファイルを残す日数] に指定されている日数を超えるファイルが診断情報ディレクトリ内で検索され、それらのファイルが削除されます。


設定方法:

管理者は [サーバー設定] フォーム (サーバーの場合) および [ポリシー設定] - [デスクトップ設定] フォーム (クライアントの場合) にある新しい [診断情報] タブでこの機能を設定することができます。

[サーバー設定] フォーム
サーバー設定フォーム

[診断情報レポートのメール受信データベース] :
サーバー障害時のレポートの送信先となる Domino ディレクトリ内のメール受信データベース名です。
注 : ここには、lndfr.ntf テンプレートファイルを使って作成したメール受信データベースを指定する必要があります。

[Amount (in KB) of diagnostic output file to send] :
送信される console.log ファイルの(先頭から末尾までの) サイズ。1 KB - 10 MB の値を指定できます。

[Remove diagnostic files from server after specified number of days] :
[はい] に設定すると、メール受信データベースに送信された診断情報ファイルが直ちにクライアントまたはサーバーのディスクから削除されます。

[診断情報ファイルを残す日数] :
作成された診断情報ファイルを何日間維持するかを指定します。この日数が経過すると、(前項目が [はい] に設定されている場合は) それらのファイルは削除されます。デフォルト値は 365 日です。

:Lotus Domino 7.x 以降のリリースでは、[診断情報] タブは移動されたため、右にスクロールしてください。

Lotus Domino 7.x 以降の診断情報タブ


[ポリシー設定] - [デスクトップ設定] フォーム
[ポリシー設定] - [デスクトップ設定] フォーム

大部分のフィールドは [サーバー設定] フォームと同じです。以下の追加フィールドがあります。

[診断情報レポートを送信するためにプロンプトを表示] :
クラッシュ後に診断情報レポートの送信に関するプロンプトをユーザーに対して表示するか、バックグラウンドで診断情報レポートを自動的に送信するかを指定します。多くの企業は、必要以上多くのポップアップメッセージがユーザーの画面に表示されないように、このプロンプトを表示しないように設定しています。

[コメントを入力するプロンプトを表示] :
クラッシュ時の操作状況に関するコメントの入力を求めるプロンプトをユーザーに対して表示するかどうかを指定します。多くの企業はこのプロンプトも表示しないように設定しています。
管理者はこれらのフォームで、この機能を使用するように設定されているすべてのユーザーとサーバーで障害レポートをどのメール受信データーベースに送信するかを指定できます。新しいドメインを作成すると、ドメイン内の最初のサーバーで、メール受信データベース (lndfr.nsf) がデータディレクトリに、対応する受信メールデータベース文書が Domino ディレクトリに自動的に作成されます。既存のドメインでこの設定を行う場合は、以下のいずれかの方法をとります。

-- 手動でメール受信データベースとメール受信データベース文書を作成します (メール受信データベースは、サーバーに付属している新しい lndfr.ntf テンプレートファイルから作成します)。

-- Lotus Domino Administrator クライアントの [サーバー] - [分析] でメール受信データベースを作成します。


管理者側から見た変更点:

管理者にとっての (メール受信データベースリポジトリが追加されたことを除く) 唯一の変更点は、診断情報ファイルの格納場所が従来のデータディレクトリから変更されたことです。新しいバージョンでは、診断情報ディレクトリに以下のファイルが格納されます。

-- NSD の出力
-- Memcheck の出力
-- コアファイル
-- メモリダンプファイル (memory.dmp ではなく、memory_<プラットフォーム>_<コンピュータ名>_<日付>@<時刻>.dmp という形式の名前で作成されます)
-- Notes_child_pid (UNIX サーバーのみ)
-- Semdebug.txt

出力は場合によっては非常に大きくなります。巨大なファイルがデータベースに送信されると、データベース内のデータ量が増加してサーバー上の mail.box のサイズが著しく大きくなります。これが問題となる場合は、以下の notes.ini パラメータを無効にします。

-- クラッシュ処理に関するパラメータ (DEBUG_DISABLE_DIAGNOSTIC_COLLECTION=1)
-- ファイル維持に関するパラメータ (DEBUG_DISABLE_FILE_RETENTION=1)


ユーザー側から見た変更点:

これらの変更点は、この機能がサーバーで実行されている場合は、特にユーザーに意識されません。senddiag プロセスと fileret プロセスはサーバーでバックグラウンドプロセスとして生成され、再起動時の復元処理が完了してパスワード (サーバー ID で指定されている場合) が入力されるまで待機します。その後、これらのプロセスは各自の処理を実行し、動作を終了します。

この機能がクライアントとして実行されている場合も、ユーザー側にプロンプトが表示されないように管理者が設定していれば、特にユーザーに意識されません。これらのプロセスは、ユーザーがクライアントを再起動した後にロードされ、パスワードの入力後にバックグラウンドで処理を実行し、動作を終了します。

プロンプト表示が有効になっている場合は、ユーザーに対して一つまたは二つのポップアップボックスが表示されます。最初のポップアップでは ([デスクトップ設定] ポリシーで有効になっている場合)、クラッシュ後にクライアントが再起動されたことが通知され、診断情報を Lotus Notes から会社のサポート担当者に送信するかどうかをたずねられます。

診断情報を送信するか尋ねる画面

[View Report] ボタンをクリックすると [Lotus Notes Error Diagnostic Report] ダイアログボックスが開き、このコンピュータから送信される情報が表示されます。

診断情報を送信することを選択すると、(ポリシー文書で無効になっていなければ) さらに別のプロンプトが表示され、クラッシュ時の操作状況に関するコメントを自由形式で入力できます。デバッグ担当者はこのコメントから、その問題を再現するために必要な情報を得ることができます。

コメント入力画面

診断情報を送信しないことを選択した場合は、以下のようなポップアップボックスが表示されます。

To report this crash at a later time, include the diagnostic files located in the following directory




補足情報




関連文書

(英文)「What is the Automatic Diagnostic Data Collection tool」(Technote #1085850)


この文書は、米国 IBM 社の資料を翻訳した参考文書です。日本語環境での検証は行っておりませんのでご注意ください。翻訳元の文書は、補足情報のリンクよりご参照ください。

Historical Number

732128

Document information

More support for: Lotus End of Support Products
Lotus Domino

Software version: 5.0, 7.0

Operating system(s): AIX, IBM i, Linux, Solaris, Windows

Reference #: 1466501

Modified date: 21 December 2010


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