IBM Support

2017年1月1日のうるう秒のIBM i への影響について

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Abstract

うるう秒のIBM i における影響について記載します。

Content

2017年1月1日にうるう秒の調整が実施されます。
今回の調整は、日本標準時 (JST) 2017年1月1日午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に、「午前8時59分60秒」を挿入する事で調整が行われます。
これに際して、うるう秒のIBM i における影響について記載致します。


■IBM i でのうるう秒への対応

システム・クロックをうるう秒に対応させるには、以下の方法を取る事となります。

環境の情報うるう秒への対応
以下の全ての条件が揃っている環境 ​

ソフトウェア:
IBM i 7.1, 7.2, 7.3 (*1)

ハードウェア:
POWER5, POWER6, POWER7, POWER8のシステム

時刻刻同期の手法:
IBM i のSNTPクライアントを利用

時刻同期の対象:
うるう秒の情報を配布可能なタイム・サーバー (NTPサーバー)
自動的に対応します。​


・IBM i のSNTPクライアントは、NTPサーバーから時刻を受け取り、ローカルのシステム・クロック (*2) を同期させています。

・うるう秒実施に際しても、NTPサーバーから受取ったNTPパケットに含まれるLeap Indicator (LI) を認識し時刻を調整します。

・実際の時刻調整は、​即座に1秒の調整を行うのではなく​、時刻の流れを連続的に継続しながら徐々に調整されます。
上記以外の環境自動的には対応しません。​

以下の対応が必要になります。

- ユーザーが手動でシステム値QTIMEを再設定する。 この場合、うるう秒を含めた正確な時刻を参照して設定することになります。

- SNTPクライアントを使用する。

注)
1. NTPクライアントの機能はi5/OS V5R3からのサポートとなります。V5R3の稼働がサポートされている筐体のうち、モデル720, 730, 740, 170, 250ではNTPクライアントでの時刻同期がサポートされません。現在サポートがあるのはIBM i 7.1、7.2、7.3の3つのリリースです。
2. システム・クロックとは、日時関係のシステム値により指定される時間を意味します。具体的にはQDATE, QTIME, QDATETIME, QHOUR, QMINUTE, およびQSECONDです。


【補足】
一つの筐体上で複数の論理区画を構成している場合、各区画毎にシステム・クロックを持つため、時刻調整も個別に対応する必要があります。


【参考】
Leap Second and IBM i
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=nas8N1020503
<参考情報> うるう秒について

■うるう秒について

2017年1月1日に、うるう秒の調整が行われるとの発表がなされています。今回のうるう秒の調整は、「協定世界時 (注1)」に1秒のうるう秒を挿入するものです。
これは、地球の公転・自転に基づき時刻を決める「世界時 (注2)」と、「協定世界時」とのずれが0.9秒に近づいたために行われる調整です。
「協定世界時」は1秒の長さを原子時計に基づく「国際原子時 (注3)」と同じとし、その上で「世界時」との差が0.9秒以上にならないように調整されたものです。
地球の自転速度が不規則なため、うるう秒調整の実施は必要に応じて行われ、いつ行われるかはわかりません(今回は3年ぶりのうるう秒調整です)。
今回の調整は、日本標準時 (JST) における2017年1月1日午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に、「午前8時59分60秒」を挿入して行われます。


■用語の説明

注1:協定世界時 (UTC)
   国際原子時 (TAI) をもとに、世界時 (UT1) から0.9秒以上ずれないように調整した時系です。
   世界時(UT1)から0.9秒以上ずれないようにするために行われる調整がうるう秒です。
   現在の協定世界時は1972年から運用が開始されており、1972年1月1日0時の時点で国際原子時とのずれを10秒として開始されました。
   現時点では、「協定世界時」は「国際原子時」から34秒遅れていますが、2012年7月1日の調整以降は、35秒遅れていることになります。
   日本標準時 (JST) は、協定世界時を9時間進めたものです。

注2:世界時 (UT)
   地球の自転・公転に基づく時系で、天文観測から得られる時間をもとにしています。
   厳密には、UT0、UT1、UT2の三種類あります。
   UT0:平均太陽時と呼ばれるもので、天文観測によって得られる恒星時から計算で求められます。地球上の位置・季節により変動します。
   UT1:UT0から、地球上の位置による変動を取り除いたものです。
   UT2:UT1から、季節変動による影響を取り除いたものです。

注3:国際原子時 (TAI)
   1秒を定義して、常に一定の時間間隔で時が進みます。
   各国に置かれている原子時計の平均として決定されている時系で、1958年1月1日0時に世界時と一致させて始まっています。


■NTPによるうるう秒情報の配布

うるう秒が発生する年は事前に決められているわけではありません。
そのため、何らかの時刻合わせを行わない場合、正のうるう秒による調整直後には、システムの時刻は日本 標準時に対して1秒進んでいる (もしくは、負のうるう秒による調整の場合は1秒遅れている) ことになります。
この時刻を再び日本標準時に合わせる方法としては、以下の2つの方法があります。
1. 手動でうるう秒調整後の時刻にあわせる。
2. Network Time Protocol (NTP) を利用する。

NTPパケットの中のLI (Leap Indicator) ビットがうるう秒に関する情報を示しており、以下の4種類の値のどれかがセットされています。

00 うるう秒調整は発生しません (時刻は通常どおり)
01 正のうるう秒調整が発生します (UTC 23時59分60秒がある)
10 負のうるう秒調整が発生します (UTC 23時59分59秒がない)
11 うるう秒についての情報を持っていません (時刻が同期してない)

LIビットの値は NTPプロトコルに従って、上位のNTPサーバーから下位のNTPサーバーへと伝達されていきます。
上位のNTPサーバーがうるう秒に対応していれば、NTPによりうるう秒調整の情報が配布されますので、その情報を元に調整が行われます。
但し、たとえNTPを利用していても、上位のNTPサーバーがうるう秒に対応していない場合には、うるう秒調整が行われていないシステムと同様の動きになります。

2017年1月1日の「うるう秒」調整のために、2016年12月31日よりLIビットが"01"となります。なおNTPサーバーはLIビットをセットするだけで、それ以外はなにもしません。
そして2017年1月1日の9時 (JST) に解除されます。




以上

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Historical Number

79636AB3A934FA394925805A00168407

Product Synonym

対象システム:Power Systems;System i;IBM i

Document Information

Modified date:
25 September 2022

UID

jpn1J1013208